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Searchlights and Nightingales
サーチライトとナイチンゲール

新訳 リンド随想集)

Robert Lynd ‘YY’
ロバート・リンド(Y.Y.)



監 訳
村田博記

翻 訳
伊森俊啓 大島隆夫
川越夕子 合田智恵理
田頭直子 田村達成
原 和恵 福田江利子
村岡桂子 森村里美
安井ルイ

監訳者のことば
  ロバート・リンド(一八七九〜一九四九)は日本ではあまり知られていないが、アイルランド生まれの英国の随筆家・批評家である。北アイルランドの首都ベルファストで生まれた。父親は長老会派の牧師で神学博士で、母親も長老派関係の出身であった。ロバートは同地のクイーンズ・カレッジを卒業し、その後ロンドンに出てデーリー・ニューズ紙の学芸部次長として働き、ザ・ニューステーツマンという週刊誌にY・Yのペンネームで寄稿をした。作品の多くはこの寄稿による。この週間随筆は同紙のもっとも価値ある特色をなし、同紙の定期的特色の中でも最も不変的に優れたものとなった。この随筆は随時集められ、単行本として出版された。リンドはその作品によって、当代における短編随筆家の中でも一、二を争う作家としての地位を獲得した。
 この作品は一九三九年に出版されたもので、第二次世界大戦が始まった年でもある。その随筆のどの一編を読んでも感心させられるのは、日常生活において平凡で当たり前と誰もが思いこんでいることを、独特の視点から眺めて暖かいユーモアを交えながら語っていることである。どんな平凡なことでも、その筆にかかれば新鮮味が出て厳粛なものになったり、重要な問題も軽妙でおもしろおかしいものなったりして、読む人の心をとらえ、感嘆させ、苦笑させずにはおかない。その文体は簡明直截的で理路整然として平明なものであるが、それでいて詩的音楽的な雰囲気を伴っている。妻シルヴィアも詩人として有名である。
 ロバート・リンドの著書はほとんど邦訳されておらず、この作品は「古典新訳」ではなく、まさしく「新訳」となる。短編の集合であるという点で、訳を分担された方それぞれの文体を最大限に生かし、訳文に最低限の手を加えたがあえて全体としての統一はとらず、各人の特徴を生かすようにしたつもりである。結果はリンドの作品が現代にも通用するもので、イラク戦争や北朝鮮の脅威等の世界情勢を前に、あたかもつい最近書かれたものであるかのような錯覚さえ覚える。これも訳を担当された全員の力量が過不足のないものであった所作であろう。
      

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